豪雨・水害の対策その2「豪雨・水害の防災会議」
2、豪雨・水害の防災会議対策に向けた防災会議
家族、オフィスで事前に防災会議をおこないましょう。お一人暮らしの場合でも事前の準備は大切です。事前の準備や意思疎通がないと、前述のように、災害発生時に「どうしていいか分からず混乱する」「準備していたにも関わらず互いに行動がバラバラ」などの事態がおこります。必要な情報と対策用品の準備、そして行動を共にする方々との意思疎通のために、防災会議は大変重要です。
防災会議その1 洪水ハザードマップの確認
防災の基本はハザードマップを確認することからです。洪水ハザードマップは水防法第15条の3項により市町村が作成することになっており、各市町村のホームページから確認できます。洪水ハザードマップには浸水想定区域の他、避難勧告や避難指示が出た場合の行動、避難方法など、重要な情報が記載されています。洪水等で大きな被害の出た地域の住民にアンケートをとったところ、9割以上の人がハザードマップを見なかったと答えた事例もあります(平成27年9月関東・東北豪雨の被災地域における住民調査結果 中央大学河川・水文研究室)。各市町村の役所から受け取る、ホームページから印刷などして、手元で確認できるようにしましょう。
防災会議その2 わが家・わが職場の浸水想定区域の確認
洪水ハザードマップには各地域の浸水想定区域が色分けされています。わが家、わが職場の区域を確認しましょう。家屋の倒壊または沈没の可能性がある区域では早期の立退避難になります。水没しないが床上・床下浸水が予想される地域は、立退避難が望ましいが、自主判断で自宅待機もできます。浸水のおそれがない地域は比較的安全ですので、浸水地域から避難してくる住民のサポートを心がけましょう。
注意点として、洪水ハザードマップは確実な予測ではないことです。想定外の事態は、ほぼ必ず起こり得ます。また、浸水はなくとも、台風や豪雨による土砂災害、地滑り、道路陥没、強風被害、下水道からの逆流の危険もあります。ハザードマップを基本にしつつも、ご自身の環境に合わせて起こり得る被害を想定しましょう。
防災会議その3 避難経路・避難場所の確認
避難が必要な地域の方は、避難経路と避難場所を確認しましょう。おもな避難場所は洪水ハザードマップに記載されています。洪水の避難は基本的に「高いところ」です。場所によっては家屋の2階でも水没するため、できるだけ高い場所へ移動しましょう。また、高いところといっても崖の場合は、大雨の浸透による崖崩れが起きる可能性があります。同様に山の中腹への避難も、土砂災害の危険があります。基本的にはハザードマップで指定されている避難場所へ向かいましょう。災害後の救援もハザードマップ指定の避難場所を中心に検討されるため、特別な状況にない限りはハザードマップや市町村の指示に従う方が安心です。
避難場所まで実際に移動してみよう
避難経路、避難場所には、一度は実際に歩いてみることをお勧めします。洪水ハザードマップには各家庭・各オフィスごとの詳細な避難ルートまでは記載されていないため、各自の調査が必要になります。実際に歩いてみることで、あらためて分かること、見えてくることがあります。家族の場合は交流を兼ねたお楽しみ散歩企画と歩いてみるのも良いでしょう。
事前の避難経路調査で確認することは、川の側を通らないこと(小さい川でも注意)、崖や山、高台の下を通らないこと、地下道を通らないこと、マンホールのある道は避ける(フタが開いていて落ちる危険)ことです。また、避難場所までに間に合わない場合はどこに避難が可能か、高いところを確認しておきましょう。
避難の時間に余裕がある場合は、車で遠方の親戚や知人の家に行くことも可能です。もちろん、避難先の家庭のハザードマップも確認して安全であることを確認しておきます。
ただ、避難は車を使わずに歩くルートも必ず確認してください。車は30cm以上冠水するとエンジンが停止したり、ドアが開かなくなったりします。車で避難するつもりが災害警報を知るのが遅かったり、車を使っている家族が帰ってくるのを待ってて冠水が間近に迫っていることもあります。歩いて避難する経路も必ず確認しておきましょう。
防災会議その4 災害情報、災害ニュースの確認
災害情報の入手先を確認し、緊急情報は常時受け取れるようにしておきます。前述のハザードマップで各自治体が推奨する情報源のある場合はそちらを確認します。災害情報の通知機能があるスマートフォンアプリもお勧めです。
以下、水害に関わる災害情報取得の一例です。
- 気象庁 発表中の気象警報・注意報
https://www.jma.go.jp/bosai/map.html - 気象庁 全国の指定河川洪水予報
https://www.jma.go.jp/bosai/flood/ - 気象庁 洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)
https://www.jma.go.jp/bosai/risk/ - 国土交通省 川の防災情報
https://www.river.go.jp
防災会議その5 災害の予兆時・発生時の行動を決める
これまで調べた情報をもとに、事前に必要な対策、台風や豪雨の予報で洪水や水害発生の恐れがある場合の行動を決めていきます。関係する家族やメンバー全員の合意・確認が取れるようにしましょう。実感のわかない人がいる場合は、上述のハザードマップや避難経路の確認から参加してもらうと、だんだんに意識が高まってきます。
避難が必要な区域の場合、災害警報のどの段階で避難準備をし、どの段階で実際に避難するか確認します。
避難時に持ち出すもの、置いていくもの、あらかじめ防水対策しておくもの、服装、防災用品等を確認しておきます。過去には一度避難したものの、位牌や家族の思い出の品を取ってこようと引き返し、洪水に巻き込まれて死亡した事例もあります。大事なものほど、置いていくのか、持っていくのか、防水対策しておくのか、預けておくのか、はっきりと決めておきましょう。持っていく場合は、すぐに持ち出せるよう事前準備しておきます。避難用の防災用品や持ち出し品は一つの場所に納め、あらかじめバッグ等に入れておきます。「避難時に必要なものは全部ここに置いてある」と分かるようにしましょう。
子供だけで留守番している時に水害警報があった場合はどうするか、決めておきましょう。親が帰ってくるまで待つようにするのか、ご近所さんを訪ねるのか、自分で避難所に行くのか、子供と決めごとを交わしておきます。ご近所さんにお世話になる場合はもちろん、事前にご挨拶しておきましょう。
乳幼児、高齢者、介護者、足の弱い家族、ペットがいる場合は、特に事前の準備や決め事が大事です。水害で逃げ遅れた人には、そうした避難の難しい家族がいて、どうにか雨がひどくならないよう見守っているうちに、2階まで浸水してしまった、という事例が見られます。緊急時にとまどうことなく行動ができるよう、必要な準備はしておきましょう。
最悪の事態の想定として、逃げ遅れてしまい、外に出ることができない場合も検討しておきましょう。そうならないように事前の準備をすることがベストですが、夜中に洪水が起きて、床上浸水で目が覚める、といったこともないとは言えません。また、浸水の水位が30cm以上になるとドアを開けられなくなります。こうした事態になってしまった場合に備え、1階から上の階に持っていくものを決めておき、救助を呼ぶ先の確認をしておきます。笛やライトもあると救助隊に見つけてもらいやすくなります。どうしようもない場合に備えて、屋根裏にボートやライフジャケットを準備しておくことを考慮してもよいかもしれません。いずれにしても、最悪の場合はこのようにする、と事前にシミュレーションしておくことが大事です。
防災会議その6 離れている場合の連絡方法の確認
災害発生時に全員が同じ場所にいるとは限りません。勤務中、外出中、学校、デイサービスなど、家族が離れている場合の連絡方法を確認しておきましょう。
チャットサービスで家族のグループがある場合はすぐに確認できますが、使えない家族がいたり、スマートフォンの水没やインフラの障害で使えなくなる場合もあります。まずはこれで連絡して、これがダメならこれ、と、いくつか用意しておくことが望ましいです。
電話で連絡を取る場合には、連絡の集約先を決めておきましょう。学校に行っている長男は勤務中の父親から指示をあおぎ、デイサービスに行っている祖母から運転中の母親から指示をあおぎ、では混乱が生じます。例えば第一番目には父親に集約することにし、困難な状況の場合は母親に集約するなど、決めておくと混乱が少なくなります。
自宅に子供だけ留守番している場合や、電話やインターネットが通じなくて、家族が全員集まる前にやむなく避難する場合もあります。行き先を書いた伝言メモを常時書くようにしたり、どこに避難するか紙に書いてドアやポストに置くことを決めたり、いざという時の集合場所を決めておくなど、連絡が取れない場合の行動も決めて共有しておきましょう。
NTTが提供する無料の災害用伝言ダイヤル(171)が有名です。いざという時のために使い方を確認したり、体験利用提供日に使ってみたりしましょう。
- NTT災害用伝言ダイヤル(171)
https://www.ntt-east.co.jp/saigai/voice171/ - 体験利用提供日
https://www.ntt-east.co.jp/saigai/voice171s/howto.html
豪雨・水害の対策
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対策その2「豪雨・水害の防災会議」
「豪雨・水害の防災会議」へ家族、オフィスで事前に防災会議をおこないましょう。必要な情報と対策用品の準備、そして行動を共にする方々との意思疎通のために、防災会議は大変重要です。
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